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資金と損益(利益算定方法)の違い 損益計算と資金繰り 

2010年5月20日

中小企業の経営者であれば、利益が出たので、税金を払わなければならないが、その資金が手元にないということを経験した人も少なくないはずです。利益が出ているのにお金がない、いわゆる「勘定あって銭足らず」という状態です。これは利益と資金が一致していないために生じるものであります。つまり、「売上=入金」でないため発生するものであります。会社の利益は損益計算書で計算されます。損益計算書では、売上高から売上原価や販売費及び一般管理費を差し引いて利益を計算します。資金は現金及び預金そのものの動きであります。主たる原因は、

信用取引(売上、仕入)                                                                                  商品の売買をしたときではなく、後日、その代金の決済をするような取り引きを、「信用取引」といいます。一般的に、1か月分の商品代金集計して後日に精算するものであります。売買と入金が同じタイミングではありませんので、利益と資金認識のタイミングは異なります。例えば、売上高というのは、一事業年度にどれだけ売ったかを示すもので、売上代金を回収しているかどうかを問いません。したがって、売上高がまったく同じでも、売上代金を全額回収している場合には十分な資金が手元に残っていますし、逆に、売上代金の未回収額が多ければ、手元の資金は乏しくなってきます。 こちらが支払う場合も、同じような考え方になります 例えば、オフィスの家賃を前月に前払いすることが多いかと思いますが、家賃を支払ったときではなく、オフィスを利用したときに経費として集計します。また、水道光熱費などは、今月の使用分を来月に支払うことになるかと思いますが、あくまでも、今月の使用分を経費として集計することになります。 

②資金の動き、収益及び費用認識計上タイミングの差異                                                      損益計算書の利益が「現金主義」ではなく、「実現主義」と「発生主義」によって計算されているために生じます。利益を出していながら倒産してしまう「黒字倒産」も、利益と資金が一致していないために起こる現象なのです。

利益=収益-費用です。そして、この利益こそが、会社の業績として評価されますし、税金の計算の基礎にもなります。 しかし、収益の分だけお金が入っているとは限りませんし、逆に費用の分だけお金が出て行ったとも限りません。そのため、会計のルールに従って計算した結果、利益が出ていたとしても、その分だけ、手元のお金が増えているかというと、そうではないのです。 そのため、実際のお金の動きと、利益とのズレについては、常に留意する必要があるのです。

皆様、いかがでしょうか。利益がいいからといって安心はできません。利益と資金の双方に留意して経営する必要があります。具体的に、どのようにして経営すればいいのか、当事務所は利益と資金双方を常に意識して、皆様とお付き合いさせていただいております。疑問点等ございましたら、お気軽に当事務所へお問い合わせください。

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