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非公開会社においても従業員持株会を用いた自社株の相続対策(事業承継)

2010年10月12日

同族会社のオーナーにとって自社株式は、相続税評価額は高いけれども実際は手放すこともできず換金性がないため、その対策にはいちばん頭を悩ませるものです。そこで力を発揮するのが従業員持株会です。従業員持株会制度を導入し、従業員に自社株式を譲渡すれば、株式分散を防ぎつつ自己所有の株数を減少させることができます。

同族会社の従業員持株会には、「民法上の組合」「法人格のない社団」「任意団体」の3つの設立形態がありますが、民法上の組合が一般的です。民法上の組合は、単なる個人の集合体という考え方で、税務上も従業員持株会の構成員が配当控除の適用を受けることができます。ではなぜ、わざわざ持株会を作る必要があるのでしょうか。それは、従業員の持株が外部の第三者へ渡ることを防止し、従業員の退職の際には自社株式の買取りをスムーズに行なえるようにするためです。また、企業支配に影響を与えないために、持株会へ放出する株式は普通株式から配当優先の完全無議決権株式へ転換しておくとよいでしょう。旧商法では、発行済株式数の2分の1までしか議決権のない株式にすることができませんでしたが、会社法では株式譲渡制限会社において、その制限が撤廃されました。以上のように、譲渡する株式を配当優先の完全無議決権株式とし、その株式を持株会を通じて従業員に譲渡(この場合、配当還元方式で評価できます。)することにより、議決権を保持したまま自己所有の株数を減らすことができます。

従業員持株会導入のメリットについて、①会社側 ・従業員福利厚生策の柱となる(配当金、奨励金)・従業員に経営参加意識を持たせることができます。・株式の社外流出を防止できます。・オーナーの相続税対策に役立ちます(オーナーの持株を従業員持株会へ譲渡)。②従業員側 ・財産形成に役立ちます。・業績が向上していけば、配当金と奨励金で高利回りとなります。(従業員にとって最大のメリットなので、高配当で報いるべきです)。・一般に中途退会でも元本回収ができる可能性が高く、会社が倒産でもしない限りキ
ャピタルロスが発生する可能性は少ないです。

自社株対策は、急にできるものではありません。計画的にしなければ、時すでに遅しとなっていることもありますのでご注意ください。また、疑問点、具体的にどのようにすればよいのかということについては、お気軽に当事務所まで、問い合わせください。

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