2024年7月11日に金融庁から「我が国における事業者の持続的な成長を促す融資実務とその影響に関する調査研究」というものが公表されています。
事業者が取引する金融機関の数が業績に与える影響に関するものも記載されています。
①倒産割合、②業績推移、③金融機関の支援 についてどうであったか分析されています。
①倒産割合について
基準年(低迷期)時点取引行数区分別での倒産割合を確認されており、取引行数が1行、2行の事業者は、 66行以上と取引を行う事業者と比較して、倒産割合は半分以下であることが確認されています。
②業績について
金融機関の取引数が、「1金融機関、2金融機関取引」の方が「 3金融機関以上取引」に比べ、融資総額の推移に関わらず業績が改善されていることが示された。事業者が1あるいは2金融機関取引を行う方が、多数の金融機関取引を行う場合より、業績悪化時において業績が改善する可能性があるといえるでしょう。
③金融機関の支援
取引行数が少ない、ないしは取引金融機関数が多く、関係が複雑化していない方が業況悪化時における金融機関による支援時の制約が少なく、遅延することなく早期に適切な支援が実施できている可能性があるといえるでしょう。
中小企業にとって、取引金融機関数は少ない方が、金融機関間の複雑な関係にまきこまれず、支援が得られやすいといえるでしょう。
ただ、1つの金融機関だけだと、その金融機関の取引条件に従わざる得ないので、2つの金融機関に打診することにより、有利な条件引き出すことができる、2つの金融機関との取引が望まれるでしょう。
皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。