所得税法72条によれば。災害による損失については雑損控除の対象になり、所得税負担が軽減されます。
災害により、マンション等の評価額が下がった場合、災害による損失として雑損控除の対象になりるのか、争われたケースがあります。
判決として、評価額の減少は、雑損控除は認められないということになりました。
所得税法の雑損控除が、「災害により損失を被った場合には、その原状回復のために相当の出費を要することに伴い、多分に担税力が減殺されることに着目して設けられた制度である」ことを前提であることから下記の判決理由が述べられました。
所得税基本通達72-8は、「・・・その価値が減少した場合において」と定めがあるが所得税法の解釈が上記である以上、これに反して、物理的損害以外の損害が「損失」に含まれることの根拠になるものではありませんとも、述べています
ある資産が災害により被害を受けた場合において、物理的損害(当該資産そのものに対する物理的被害から直接生じた損害)については、通常、再取得または修繕等による現状回復が可能であり、これに雑損控除を認めるのは、雑損控除認めた趣旨にあうが、再取得または修繕による原状回復をおよそ想定することのできないものについてまで雑損控除を認めることは、設けられた取趣旨に反すると言わざる得ないです。
物理的な被害から直接生じたものでない損害は、「損失」に当たらないと解すべきであると判示されました。
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